「定年後はのんびり過ごしたい」そんな考えが過去のものになりつつあります。
2025年4月からの改正高年齢者雇用安定法の完全施行により、社会は「70歳就業時代」へと大きく舵を切りました。
人生100年時代の後半戦を、会社に依存せず、いかに自分らしくデザインするか。
2025年7月、ビジネスブートキャンプWMBCでは、キャリア支援のスペシャリスト・藤原浩氏を講師に迎え、「ミドルシニアのためのブランディングセミナー」を開催しました。
「起業か雇用か」という選択肢から、自身の強みを再定義するワークまで、熱気あふれたセミナーの様子をレポートします。

合同会社キャリアバリュー研究所 代表/国立大学法人大阪大学 キャリアアドバイザー
東証プライム上場企業グループにて、人材育成や経営マネジメントを歴任。働きながら大学で生涯教育学や心理学を研究し、現在はキャリアコンサルティングの第一線で活躍中。
◆主な資格・活動◆
国家資格キャリアコンサルタント(2級技能士)
ファイナンシャルプランナー(AFP)
認定心理士/社会教育士
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 高年齢者雇用アドバイザー
セミナーの冒頭、藤原氏は最新の労働環境の変化について触れました。特に注目すべきは、2025年4月から高年齢者雇用確保措置の経過措置が終了し、企業には70歳までの就業確保措置が努力義務化されたことです。
これまでは「65歳で一区切り」だったキャリアが、今や「70歳まで、あるいは生涯現役」で働くことが前提となりつつあります。少子高齢化や終身雇用の崩壊といった予測困難な未来において、私たちミドルシニアに求められているのは、組織に委ねるのではなく「自らが自律して人生を創る力」です。
次に議論されたのは、誰もが気になる「お金」の問題です。総務省統計局の『家計調査年報(2023年)』によると、65歳以上の無職世帯(夫婦のみ)では、1ヶ月に約4万円の不足が生じているという現実があります。
公的年金だけに頼るのではなく、雇用や起業、副業といった複数のチャネルを持つ「収入リスクの分散」が重要です。セミナー1日目では、「起業」と「雇用」それぞれのメリット・リスクを比較。どちらを選ぶにせよ、自分というリソースを最大限に活用する戦略が必要であると語られました。
セミナーの目玉となったのが、藤原氏オリジナルの「キャリア選択チェックシート」を使ったワークショップです。20の質問を通じ、以下の4つの柱で現状を分析しました。
自己分析とビジョン: 自分は何を大切にし、どうありたいか
スキルと経験: これまで積み上げた「武器」は何か
経済状況とリスク許容度: 挑戦に必要な資金と守るべき資産
環境と将来性: 社会のニーズと自分の立ち位置
ワークに取り組んだ参加者からは、「当たり前だと思っていた自分の経験が、実は独自の強み(付加価値)になると気づけた」という声が多く聞かれました。
50代、60代は経験の宝庫です。しかし、それをそのまま提供するだけでは不十分です。
藤原氏は、「これまでの経験に付加価値をつけ、新しい魅力や独自の強みを見せること」、すなわちセルフブランディングの重要性を強調しました。
過去の肩書きを捨てる
市場ニーズに合わせてスキルを「翻訳」する
「あなたに頼みたい」と言われる独自性を確立する
これこそが、人生後半戦を豊かに生き抜くための最強の武器となります。
今回のセミナーを通じて浮き彫りになったのは、ミドルシニア世代が持つ「無限の可能性」です。
法改正や経済的な不安を「リスク」と捉えるか、新しい挑戦への「追い風」と捉えるか。その鍵は、自分自身を客観的に見つめ直し、再ブランド化することにあります。
ビジネスブートキャンプWMBCでは、これからもシニア世代が自律して輝くための実践的な学びを提供してまいります。